Sake Brew Master's blog

28歳 蔵元杜氏の日本酒ブログ

平成30年度 全国新酒鑑評会製造技術研究会

5月29日に全国新酒鑑評会の製造技術研究会が、東広島市東広島運動公園で開催されました。 

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目次

 

全国新酒鑑評会

全国新酒鑑評会とは清酒の製造技術と品質の向上を目指す全国規模の清酒鑑評会で、酒類総合研究所日本酒造組合中央会が共催している唯一の公的な鑑評会です。

全国新酒鑑評会は明治44年(1911年)から始まり、今回で107回目の開催になります。

今回は日本全国の蔵元から857点が出品されました。

昨年は850点だったため、今年度は7点出品点数が増加しました。

857点のうち予審を通過し、かつ、決審で入賞外に該当しない出品酒の416点が入賞。

入賞酒のうち特に成績が優秀と認められた出品酒の232点が金賞を受賞しました。

 

受賞酒一覧はこちらから

 

製造技術研究会

製造技術研究会とは全国新酒鑑評会に出品されたすべての出品酒を利き酒することができる、酒造関係者の勉強会です。

金賞受賞酒の傾向や、選外になったお酒の原因を利き酒で突き止め、次の酒造りに繋げるための大事な勉強会なのです。

 

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会場の様子

 

会場には出品酒が各都道府県別に並べられます。参加者は1点1点少量ずつ口に含み、香りや味わいを確認し、配布される出品酒目録に酒の特徴などメモを走らせていました。

 

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令和元年 出品酒目録

 

私も朝から参加して約600点の利き酒をしてきました。

初めて参加した際は50点くらい利き酒した時点で、アルコールによって舌が痺れてしまい、その後の酒はすべて同じ味わいにしか感じられませんでしたが、何度も参加するうちに数百点の利き酒にも対応できるようになりました。

 それでも600点となると、なかなか大変です。

 

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出品酒の並び



利き酒後

一通り利き酒を終えると会場の隅で話し込んでいる人が増えていきます。

なにせ全国各地から業界関係者が集まるので、会場中知り合いだらけなのです。

今季の酒造りのことや、出品酒の傾向など情報交換の場でもあるのです。

普段、遠方で会えない業界内の友人とも製造技術研究会では会うことができるため、利き酒だけでなく久しぶりに友人に会う楽しみも持って参加しています。

 

 

今年の出品酒の傾向

今年は全国的にお米が溶けやすかったため、甘味と高い香りを特徴とする出品酒が多い印象を受けました。

お米がよく溶けたことに起因して、汲み水が伸び、味が身薄な出品酒も散見しました。

さらに、上槽時のタイミングが早すぎることに起因して発生してしまうアルデヒド臭(青臭い香り。木香様臭ともいう。)や上槽後の管理が行き届いておらず、熟成香がする出品酒が例年以上に多かったです。

 

 

まとめ 

今回は平成30年度の全国新酒鑑評会と製造技術研究会についてまとめました。

皆さんの好きな酒蔵の成績はいかがだったでしょうか。

ちなみに弊社は金賞を受賞することが出来ました!銘柄は秘密ですけどね(笑)

 

一つだけ注意してほしいのが、鑑評会は「技術の研鑽の場」であり、鑑評会の成績とその蔵の市販酒の美味しさは必ずしも相関性はありません。

車業界のF1やアパレル業界におけるパリコレと同じものだと考えて下さい。

F1カーは公道を走るのには様々な問題点があり不適切ですし、パリコレの芸術品とも言えるような服はスーパーモデルだからこそ着こなせるものですし、日常使いできる服ではありませんよね。

鑑評会の結果はF1やパリコレのそれと同じものだと考えて下さい。

もちろん出品するからには現場の人間は本気で獲りに行きますけどね!

 

 今回は平成30年度 全国新酒鑑評会製造技術研究会についてまとめました。

参考になれば幸いです。

 

それでは楽しい日本酒ライフを!

 

 

B.C

平成の終わりに平成最後の酒造りを振り返る

 

どうも。B.Cです。

 

いよいよ平成も残すところわずかとなりました。

平成の終わりに、平成最後のブログを更新しようとパソコンを叩いています。

 

今回は私の平成最後の酒造りについて簡単に振り返っていきたいと思います。

 

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暖気樽で酒母を加温

昨年の10月中旬に蔵入りし、今年の4月上旬に皆造(かいぞう)[その醸造年度の酒造りが終了すること]を迎えることができました。

今期の酒造りは平成最後の酒造りとなり、平成生まれの私としては特別な造りとなりました。

 

自分で独自に分離した酵母を実醸造に使用したり、生酛や山廃仕込みの大幅な仕様変更など様々なチャレンジに取り組んだシーズンとなりました。

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B.C専用酵母(沈殿部が酵母)

私が分離した酵母(その名もB.C専用酵母)は世界で私しか使用していないオリジナルの酵母ですので、醸造特性の把握をしつつの発酵管理は中々上手くいかず、苦労の連続でスリリングな日々を過ごしました。

 

最終的には目的としていた酒質にまとめることができ、大変満足しています。

 

また、蔵の威信をかけて造る大吟醸の仕込みの際には、様々なアクシデントにも見舞われました。

原料米である山田錦の溶け具合が予想を上回る溶け具合で、醪のコントロールにも大変苦労しました。

もちろん目的の酒質に仕上げましたけどね。笑

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大吟醸の雫取りの様子

いざ平成最後の造りを振り返ってみると、思い出されるのは失敗したことや、苦労したことが多くなってしまいますが、苦労が多かった分、とても成長できた一造りになったと感じています。

今期の造りだけでたくさんの技の引き出しが増えました。笑

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完成した生酛の面(ツラ)

 

引き出しを増やすため皆造後も約2週間、知人の蔵での酒造りに参加させて頂き、新たな知見や技法を学んできました。

早く令和元年の酒造りがしたくてウズウズしています。笑

 

 

本ブログは匿名で行っている活動ですが、読者の皆様がどこかで私の造るお酒に出会い、飲んでいただいた際に感動して頂けるようなお酒が造れるよう日々努力していきます。

 

令和の時代も楽しい日本酒ライフを!

 

 

B.C

 

新年(?)の抱負

どうも。B.Cです。

新年あけましておめでとうございます。

今年も日本酒の啓蒙活動をひっそりと行っていきますので、よろしくお願い致します!

 

・・・ええ。

わかっていますよ。

今日は1月最終日、平成最後の1月31日でもあります。

しかし、本投稿が2019年一発目のブログ更新ということで、新年のご挨拶をさせて頂きました!笑

間違いなく私が新年の挨拶の殿でしょうね・・・

現在22時。

はてなブログ様から1ヶ月更新してねーぞ!、とお達しが届いたので就寝前にパソコンに向かっています。

 

日本酒の素晴らしさを広めるために昨年から書き始めた当ブログですが、当初は「毎週更新!」、造りが始まってからは「酒造りの裏側を記事に!」などと息巻いていましたが、なかなか難しいものですね・・・

毎日更新なさっているブロガーさんは本当にすごいです。笑

 

 

さて、タイトルの新年・・・今年の抱負ですが、

 

①全国新酒鑑評会で金賞を獲る

②酒造りはもちろんのこと営業も頑張る

③もうちょっとブログ更新を頑張る

 

以上の3つを今年の抱負として残りの11ヶ月を全力で駆け抜けていきます。

 

日本酒の素晴らしさを分かり易くお伝えできるよう頑張っていきますので、今後ともよろしくお願い致します。

 

 

楽しい日本酒ライフを!

 

 

B.C

大晦日

どうも。B.Cです。

いよいよ2018年も残すところ数時間となりましたね。

 

11月から始まった弊社の「平成最後の造り」はまだまだ半ばに差し掛かったところですが、年を跨ぐということで、簡単ではございますが2018年の酒造りを振り返っていこうと思います。

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酒林(杉玉)

 

今期の酒造りは暖冬ということで、11月~12月上旬は蒸米の冷却や醪の温度コントロールが大変でしたが、12月後半から気温も下がってきて、やっと酒造りがしやすい気候になってきました。

今年の夏は猛暑日が続いたことから、お米が溶けにくいことが予想されましたが、ふたを開けてみると、例年通りの溶け具合で醪のコントロールがしやすいと感じています。

お米の溶け易さは気候によって変化するのですが、この話題は後々取り上げようと思います。

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12月の後半に初搾りを迎え、新酒も発売することができ、弊社の新酒をお待ちいただいているお客様にお届けすることが出来ました。

 

弊社の新酒は伝統的な搾り機である槽(フネ)を使用して搾ります。

酒袋に10Lほどの醪を詰めて船のような枠に積み上げていきます。

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醪の入った酒袋

最初は醪が入った酒袋の自重で搾られていきます。

徐々に上から圧力をかけていき、1~2回酒袋を積み替えながら搾っていきます。

酒袋1枚1枚に醪を入れていくことや、酒袋を積み替えることなど手間が多くかかりますが、槽で搾ったお酒は綺麗な酒になると感じます。(あくまでも私の主観です。)

ちなみに現在はヤブタ式というアコーディオンのような横から圧力をかける搾り機が主流になっています。

 

1月からは吟醸の仕込みが始まりますが、2019年も気合を入れて美味しいお酒が造れるように頑張っていこうと思います。

 

このブログを書き終えたら、自分で造った新酒を飲みながら年を越したいと思います。

新年早々、明日も仕込みがあるので私は程々にしておきますが、皆さまは美味しいお酒をたくさん飲んで楽しんで下さい!

くれぐれも、飲み過ぎにはご注意下さいね!

 

それでは酔いお年をお迎えください!

 

2019年も楽しい日本酒ライフを!

 

B.C

 

平成最後の酒造りがスタートしました

 

どうも。B.Cです。

 

久しぶりのブログ更新となります。

12月も半ばに差し掛かり年の瀬が近づいてきていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

弊社は11月15日から蔵入りし、いよいよ「平成最後の酒造り」がスタートしました。

 

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弊社の仕込み水。これぞ水色。

酒蔵あるあるだと思いますが、普段の生活から酒造りの生活リズムに身体が慣れるまでの蔵入り1ヶ月目が本当に大変です。

酒造りでは30kgの米袋を担いだり、30℃~45℃の部屋で製麹(せいきく・せいぎく)【麹を造ること】作業をしたりなど、営業やデスクワークなどで鈍っていた身体が悲鳴をあげています…

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酛用の総ハゼの麹

 

しかし、大変な分嬉しいこともあり、鈍りきっていた身体が少しずつ引き締まってきて2kg痩せることができました。笑

身体が慣れてくると体重の減少もなくなってしまうのですがね…

 

さて、酒造り中のブログでは、なるべく酒造りの作業やちょっとした裏話などをお伝えできる記事を書いていきたいと思うので、今後の更新をお楽しみに!!

ちなみに私のTwitterアカウントでは毎日ちょこちょこと作業内容を写真や動画と共に呟いているので、フォローして頂けると楽しめるかと思います。

 

それでは楽しい日本酒ライフを!!

 

 

B.C

「酒造りの神様」農口尚彦氏が杜氏を務める農口尚彦研究所

 

どうもB.Cです。

 

今回は「酒造りの神様」と称される農口尚彦氏が杜氏を務める農口尚彦研究所の見学に行ってきたので、簡単にご報告したいと思います。

 

目次

 

 

 

農口尚彦杜氏

 

日本酒好きの人なら、この名をご存知の方も多いかと思います。

能登杜氏四天王」や「現代の名工」など様々な肩書を持ち、「酒造りの神様」とも称される伝説の杜氏です。

 

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農口杜氏 農口尚彦研究所公式サイトより

農口杜氏は70年もの酒造りのキャリアを持ち、連続12回全国新酒鑑評会金賞受賞を含む通算24回金賞受賞という輝かしい実績を誇り、85歳になった今もなお最前線で酒造りをなさっている正しく生ける伝説です。

 

 

農口尚彦研究所

 

現在85歳になられた農口杜氏ですが、金沢市から車で30分ほどの小松市の農口尚彦研究所にて酒造りをなさっています。

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農口尚彦研究所

農口尚彦研究所は農口杜氏の酒造りにおける匠の技術・精神・生き様を研究し、次世代に継承することをコンセプトとし、夢や情熱を持った若者と共に酒造りをしたいという、農口杜氏の熱い想いを受け止めて設立されました。

 

 

酒造りに最適な環境

 

農口尚彦研究所の周りは自然に囲まれており、綺麗で豊富な水量を誇る水源があります。

蔵の近くには西尾の雪解け水が流れる郷谷川と「こいの滝登り」で有名な十二ケ滝があり、酒造りには最高の環境です。 

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蔵近くの十二ヶ滝

 

 

蔵内の様子

 

農口酒造研究所は昨年醸造を開始した新しい蔵ですので、蔵内は最新の設備が導入されていますが、もちろん全量手造りです。

随所に農口杜氏のこだわりを感じました。

 

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仕込み蔵 壁には農口杜氏が描かれています。

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ため息が漏れるような酒を造りたい

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発酵中の醪 青リンゴのような上品な香り

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農口杜氏の麹 かなり強い麹です。

 


 

試飲ルーム「杜庵(とうあん)」

 

試飲ルーム「杜庵(とうあん)」は茶室をイメージした造りで、窓越しに田園風景を眺望しながら農口杜氏が造った至極のお酒を味わうことが出来ます。 

料金は酒蔵の見学とセットで5400円、所要時間は約90分となっています。

 

しかし、今回私は車で一人でお伺いしたので杜庵で農口杜氏の酒を楽しむことは出来ませんでした…泣

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試飲ルーム 杜庵

※杜庵の写真は予約サイトOpenTableさんより引用させて頂きました。

 

 

農口杜氏との会談

 

酒造りでお忙しい中、農口杜氏と30分ほどお話をさせて頂きました。

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農口杜氏 杜氏部屋にて

農口杜氏の十八番である山廃造りのことや、これからの日本酒の在り方など様々なお話をすることができました。

酒造りに関する技術的な質問にもお答えいただき、本当に勉強になりました。

これからの日本酒はドンドン世界に打って出ないといけないということや、私のような若い人が美味しい酒を造り、日本酒を盛り上げていかないとダメだよとエールも頂き、日本酒を盛り上げていけるよう頑張ろうと決意を新たにしました。

 

 

まとめ

 

農口酒造研究所では「酒造りの神様」と称される農口杜氏の生き様や酒造りのすべてを知ることが出来るといっても過言ではありません。

ぜひ農口酒造研究所に足を運んで農口杜氏の至極の酒を楽しんで下さい!

  

それでは楽しい日本酒ライフを!

 

 

B.C

日本酒が人の繋がりを醸す映画「恋のしずく」

 

どうもB.Cです。

 

今回は10月20日(土)に全国公開された酒造りの映画「恋のしずく」をご紹介致します。

ちなみに私は撮影地・西条で10月13日に先行上映されたものを一足先に鑑賞してきました!

皆さんにも是非観ていただきたい作品ですので、「恋のしずく」の魅力や見どころをネタバレしない範囲でご紹介致します!

 

 

目次

 

 

 

恋のしずく

 

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恋のしずく 公式HPより

恋のしずくは3大銘醸地の一つとして称される広島県 東広島市 西条を舞台に、日本酒造りの奥深さや、蔵を取り巻く人と人の繋がりを描いた心温まる作品です。

10月20日(土)から全国で上映されています。

なお撮影地である広島では10月13日(土)から全国に先駆けて先行上映されています。

作品を手掛けるのは「ラーメン侍」「カラアゲ★USA」で有名な瀬木直貴監督です。

 

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先行上映された撮影地 西条の映画館の様子

 

あらすじ

 

東京の農大でワインソムリエを目指す“日本酒嫌い”のリケジョ・橘詩織(川栄李奈)の実習先は、意に反して東広島・西条の日本酒の酒蔵に決まってしまった。酒蔵での実習を終えないと単位が取得できず、夢のワインの本場フランスでの海外留学への道も閉ざされてしまう。渋々実習先の乃神酒造へ訪れた詩織だったが、今年は実習生の受け入れ予定はないと言われてしまう。実は、蔵元(大杉漣)が受け入れを断ったにも関わらず、息子である莞爾(小野塚勇人)が父親への反抗心から勝手に進めていたのだった。絶対に単位が欲しい詩織は食い下がる。農家の娘美咲(宮地真緒)の助けもあり、なんとか杜氏の坪島(小市慢太郎)から蔵に来るように言われ、酒蔵で修行に近い「実習」が始まる。人々との出会いや日本酒造りを通じて、今までにない喜びを見出す詩織。そんな時、蔵元の体調が急変し、思わぬ転機が訪れる。詩織は好きになった日本酒、西条の街や人々、そして思いがけず抱いた莞爾へのほのかな思いをどう決断していくのかー。

                          公式HPより引用

 

 

超本格的な酒造りのシーン

 

酒造りのシーンは現広島県酒造組合会長であり、朝ドラ「マッサン」のモデルとなった竹鶴酒造の杜氏である石川達也さんが監修しました。

「酒造関係者が観てもおかしいところがないようにしたい」という監督の要望もあり、酒造りのシーンには細部までこだわっています。

実際、現役で酒造りを行っている私が観ても、しっかりと本格的な酒造りを行っており、かなり良い出来栄えです!

 

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麹造りのシーン 公式HPより

ちょっとした裏話ですが、作中で※ひねり餅を作るシーンで石川杜氏が「手だけ」出演していらっしゃいます。

ひねり餅を作るのも杜氏としての技術の一つですので、本格的な酒造りを再現するために石川杜氏が実演したそうです。

日本酒業界でも指折りの杜氏である石川杜氏の「技」も見所の一つとなっています。

 

※ひねり餅とは、蒸米の蒸し加減をチェックするために作る、アツアツの蒸米を餅状にねったものです。

ひねり餅を作る際に蒸米の硬さや弾力、手触りをチェックし、蒸し加減を確認します。

耳たぶより少し硬いくらいがベストな蒸し加減と言われています。

 

 

日本酒の様々な飲み方

 

日本酒は冷酒、冷(常温)、お燗と様々な温度帯で楽しむことができ、温度によってそれぞれ全く違う香りや味わいを魅せてくれます。

また、お猪口やワイングラスなどの酒器の違いによっても、香りや味わいの変化を楽しむことができます。

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乃神酒造の「鯉幟」。詩織は日本酒の魅力に気が付きます。 公式HPより

日本酒には日本食はもちろんのこと、洋食、フレンチ、イタリアン、中華料理まで何にでも合わせることが出来るお酒だということを学ぶことが出来ます。

詳しくは映画内で、俳優陣がしっかりと説明してくれるので、「恋のしずく」をご覧ください!!

 

 

酒蔵での実習

 

川栄李奈さんが演じる橘詩織は日本農業大学という架空の大学に通っています。

私が知る限り、日本で酒蔵での実習を行っている大学は東京農業大学醸造科学科のみですので、農大がモチーフになっていることが考えられます。

エンドロールにも東京農大の名があります。

しかし、映画内での大学のシーンの撮影は広島大学で行われたようです・・・

 

ちなみにちょっとした裏話ですが、この酒蔵での実習ですが、作中では必修科目のような位置づけですが、実際には選択科目だったりします。

さらに、実習を受け入れてもらえる酒蔵には二人か三人一組でお世話になることになっています。

 

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蔵元と橘詩織 公式HPより

 

大杉漣さんの遺作

 

恋のしずくは2018年2月にお亡くなりになった名優、大杉漣さんの遺作となっています。

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大杉漣さん 公式HPより

大杉漣さんは撮影の合間によく散歩に出かけていました。

監督は内心「きっと何か理由があるのだろう」と思っていたそうです。

出番を終えられて地元の支援者さんたちとBBQをした際に思い切ってたずねたところ、大杉さんは「輝義(蔵元)という人間は、この街で生まれ育って、65年間、何を見て、どんな空気を吸って生きてきたのかと思ってね。散歩して、それが芝居にどう役立ったかはわからないけど」と答えたそうです。

数多くの現場を経験してもなお、真摯にひとつの役に向き合う。

この積み重ねこそが名優と称される所以なのです。

私も年間数多くの日本酒の仕込みを行います。

仕事は違えど、大杉漣さんのように、仕込み一本一本に真摯に向き合うことを重ね、いつかは名杜氏と呼ばれるよう努力します。

 

 

まとめ

 

簡単ではありましたが、映画「恋のしずく」の紹介をさせていただきました。

この映画には日本文化が誇る魅力と、人と人の繋がりが醸す力がギュッと詰まっています。

日本酒好きはもちろんのこと、日本酒が苦手な人でも主人公・橘詩織が日本酒の魅力に気付き、恋していったように、「日本酒」の素晴らしさを知って頂ける作品です。

映画館で造り手の「情熱」と「魂」を感じて下さい。

 

「酒造りは命を育む仕事なんじゃ」

 

それでは楽しい日本酒ライフを!

 

 

 

B.C