公的に認められた"唯一"の利き酒プロ免許「清酒専門評価者」
どうも。B.Cです。
今回は公的に認められた"唯一"の利き酒プロ免許「清酒専門評価者」の概要や難易度について説明していきます。
目次
清酒専門評価者とは
感覚の感受性が高く、清酒の香りや味の多様な特徴を評価するのに一貫して反復可能な能力を有している評価者で、清酒の官能評価の経験があるとともに、清酒の製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を有している専門家です。
正式名称は「清酒の官能評価分析における専門評価者」
英文名称は「Sake Expert Assessor, NRIB」
※独立行政法人 酒類総合研究所とは酒類の最先端の研究を行っている国の研究機関です。研究の他にも品質評価や全国新酒鑑評会を主催しています。
認定条件
2:セミナーのカリキュラム中に実施される以下の5つの試験に合格すること。
- 本味とにおいの識別
- 酸味及び甘味の差異の検出
- 香味強度の順位付け
- においの記述とその由来
- 記述的試験法
3:上記の試験すべてに合格後、清酒の官能評価に関する経験を証明する申請書を提出し、審査の基準を満たすこと。
申請書には、経験を証明するために、従事した清酒の官能評価に関する業務等の説明及び問題点に関するレポートの添付が必要です。
清酒官能評価セミナー応募資格
酒類の製造業、販売業又は酒造技術指導に従事し、かつ、酒類の官能評価に関して1年以上の経験を有し、次のいずれかの資格を有する方となります。
なお、受講に当たっては化学、生物学、醸造学、統計学の基礎的な知識が必要です。
1:大学(短期大学を含む。)の農学・食品・生物系学科卒業以上の経験を有する方
2:職業能力開発促進法に基づく酒造技能士2級以上を取得されている方
3:当研究所主催の酒類醸造講習(旧・酒類醸造セミナー)、旧清酒製造技術講習又は公益財団法人日本醸造協会主催の「実践きき酒セミナー」を受講済みの方
まとめ
清酒専門評価者の試験を受けるには、まず清酒官能評価セミナーを受講しなければいけません。
最近は定員に対して受講希望者が多いため、書類選考を突破しなければ受講することができません。
清酒官能評価セミナーのカリキュラムに含まれる5つの試験すべてに合格後、清酒の官能評価に関する経験を証明する申請書及び官能評価に関するレポートを提出することで、審査を受けることが可能です。
審査基準を満たしていれば、晴れて清酒専門評価者として認定される仕組みとなっています。
清酒専門評価者は平成19年10月から開始された資格になりますが、業界人でも非常に合格率が低い難関資格です。
現在111名が清酒専門評価者として認定されています。(平成30年5月末現在)
合格率は毎年20%前後、低い年は10%を切る難易度で、熟練の杜氏さんでもバシバシ不合格になっています。
私が受験した際も、周りは杜氏の方や出荷管理をしているようなベテランの方が多く受験していましたが、合格率は20%程度でした。
匿名のブログですので、色々と隠していますが、こちらが認定証です。
年間2000本は利き酒をしますし、飲みに出かけた際も様々な種類の日本酒を飲むように心がけているので、そういった日々の努力が実を結んでくれたのではないかと思っています。
これから受験する方にアドバイスをするとしたら、試験前は味の濃い食事や辛い物など刺激がある食事は控えた方が良いです。
味の濃い食事や刺激の強い食事は官能評価能力を著しく低下させます。
清酒専門評価者に認定されると、毎年全国酒造組合と酒類総合研究所が共催している全国新酒鑑評会の審査員の候補になります。
審査員は全国の酒蔵が、その蔵の持てるすべての技術を用いて造る最高峰のお酒を評価しなければならないため、非常に責任ある審査をすることになります。
清酒専門評価者とはそんな重大な仕事を任される責任ある資格なのです。
残念ながら、私にはまだ審査員の打診は来たことがありませんが、機会があるならぜひトライしてみたいですね。
プレッシャーがかかる場面での官能評価をこなすことで、さらに1段成長できるような気がします。
いつ声が掛かってもいいように利き酒の鍛錬は怠らないようにしています。
今年こそ、審査員の打診待ってます!(笑)
さて、今回は公的に認められた"唯一"の利き酒プロ免許「清酒専門評価者」について説明させていただきました。
最近は利き酒系の資格が世にあふれていますが、公的に認められた資格は清酒専門評価者だけです。
現在、残念ながら一般の方が受講することは出来ませんが、清酒の製造や販売、提供に携わっている方は受験してみてはいかがでしょうか?
官能評価の講義を受講しながらの試験となるため、仮に試験に落ちてしまってもセミナー後には間違いなく成長しているはずです!
それでは、楽しい日本酒ライフを!
B.C