Sake Brew Master's blog

28歳 蔵元杜氏の日本酒ブログ

日本酒が人の繋がりを醸す映画「恋のしずく」

 

どうもB.Cです。

 

今回は10月20日(土)に全国公開された酒造りの映画「恋のしずく」をご紹介致します。

ちなみに私は撮影地・西条で10月13日に先行上映されたものを一足先に鑑賞してきました!

皆さんにも是非観ていただきたい作品ですので、「恋のしずく」の魅力や見どころをネタバレしない範囲でご紹介致します!

 

 

目次

 

 

 

恋のしずく

 

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恋のしずく 公式HPより

恋のしずくは3大銘醸地の一つとして称される広島県 東広島市 西条を舞台に、日本酒造りの奥深さや、蔵を取り巻く人と人の繋がりを描いた心温まる作品です。

10月20日(土)から全国で上映されています。

なお撮影地である広島では10月13日(土)から全国に先駆けて先行上映されています。

作品を手掛けるのは「ラーメン侍」「カラアゲ★USA」で有名な瀬木直貴監督です。

 

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先行上映された撮影地 西条の映画館の様子

 

あらすじ

 

東京の農大でワインソムリエを目指す“日本酒嫌い”のリケジョ・橘詩織(川栄李奈)の実習先は、意に反して東広島・西条の日本酒の酒蔵に決まってしまった。酒蔵での実習を終えないと単位が取得できず、夢のワインの本場フランスでの海外留学への道も閉ざされてしまう。渋々実習先の乃神酒造へ訪れた詩織だったが、今年は実習生の受け入れ予定はないと言われてしまう。実は、蔵元(大杉漣)が受け入れを断ったにも関わらず、息子である莞爾(小野塚勇人)が父親への反抗心から勝手に進めていたのだった。絶対に単位が欲しい詩織は食い下がる。農家の娘美咲(宮地真緒)の助けもあり、なんとか杜氏の坪島(小市慢太郎)から蔵に来るように言われ、酒蔵で修行に近い「実習」が始まる。人々との出会いや日本酒造りを通じて、今までにない喜びを見出す詩織。そんな時、蔵元の体調が急変し、思わぬ転機が訪れる。詩織は好きになった日本酒、西条の街や人々、そして思いがけず抱いた莞爾へのほのかな思いをどう決断していくのかー。

                          公式HPより引用

 

 

超本格的な酒造りのシーン

 

酒造りのシーンは現広島県酒造組合会長であり、朝ドラ「マッサン」のモデルとなった竹鶴酒造の杜氏である石川達也さんが監修しました。

「酒造関係者が観てもおかしいところがないようにしたい」という監督の要望もあり、酒造りのシーンには細部までこだわっています。

実際、現役で酒造りを行っている私が観ても、しっかりと本格的な酒造りを行っており、かなり良い出来栄えです!

 

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麹造りのシーン 公式HPより

ちょっとした裏話ですが、作中で※ひねり餅を作るシーンで石川杜氏が「手だけ」出演していらっしゃいます。

ひねり餅を作るのも杜氏としての技術の一つですので、本格的な酒造りを再現するために石川杜氏が実演したそうです。

日本酒業界でも指折りの杜氏である石川杜氏の「技」も見所の一つとなっています。

 

※ひねり餅とは、蒸米の蒸し加減をチェックするために作る、アツアツの蒸米を餅状にねったものです。

ひねり餅を作る際に蒸米の硬さや弾力、手触りをチェックし、蒸し加減を確認します。

耳たぶより少し硬いくらいがベストな蒸し加減と言われています。

 

 

日本酒の様々な飲み方

 

日本酒は冷酒、冷(常温)、お燗と様々な温度帯で楽しむことができ、温度によってそれぞれ全く違う香りや味わいを魅せてくれます。

また、お猪口やワイングラスなどの酒器の違いによっても、香りや味わいの変化を楽しむことができます。

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乃神酒造の「鯉幟」。詩織は日本酒の魅力に気が付きます。 公式HPより

日本酒には日本食はもちろんのこと、洋食、フレンチ、イタリアン、中華料理まで何にでも合わせることが出来るお酒だということを学ぶことが出来ます。

詳しくは映画内で、俳優陣がしっかりと説明してくれるので、「恋のしずく」をご覧ください!!

 

 

酒蔵での実習

 

川栄李奈さんが演じる橘詩織は日本農業大学という架空の大学に通っています。

私が知る限り、日本で酒蔵での実習を行っている大学は東京農業大学醸造科学科のみですので、農大がモチーフになっていることが考えられます。

エンドロールにも東京農大の名があります。

しかし、映画内での大学のシーンの撮影は広島大学で行われたようです・・・

 

ちなみにちょっとした裏話ですが、この酒蔵での実習ですが、作中では必修科目のような位置づけですが、実際には選択科目だったりします。

さらに、実習を受け入れてもらえる酒蔵には二人か三人一組でお世話になることになっています。

 

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蔵元と橘詩織 公式HPより

 

大杉漣さんの遺作

 

恋のしずくは2018年2月にお亡くなりになった名優、大杉漣さんの遺作となっています。

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大杉漣さん 公式HPより

大杉漣さんは撮影の合間によく散歩に出かけていました。

監督は内心「きっと何か理由があるのだろう」と思っていたそうです。

出番を終えられて地元の支援者さんたちとBBQをした際に思い切ってたずねたところ、大杉さんは「輝義(蔵元)という人間は、この街で生まれ育って、65年間、何を見て、どんな空気を吸って生きてきたのかと思ってね。散歩して、それが芝居にどう役立ったかはわからないけど」と答えたそうです。

数多くの現場を経験してもなお、真摯にひとつの役に向き合う。

この積み重ねこそが名優と称される所以なのです。

私も年間数多くの日本酒の仕込みを行います。

仕事は違えど、大杉漣さんのように、仕込み一本一本に真摯に向き合うことを重ね、いつかは名杜氏と呼ばれるよう努力します。

 

 

まとめ

 

簡単ではありましたが、映画「恋のしずく」の紹介をさせていただきました。

この映画には日本文化が誇る魅力と、人と人の繋がりが醸す力がギュッと詰まっています。

日本酒好きはもちろんのこと、日本酒が苦手な人でも主人公・橘詩織が日本酒の魅力に気付き、恋していったように、「日本酒」の素晴らしさを知って頂ける作品です。

映画館で造り手の「情熱」と「魂」を感じて下さい。

 

「酒造りは命を育む仕事なんじゃ」

 

それでは楽しい日本酒ライフを!

 

 

 

B.C