Sake Brew Master's blog

28歳 蔵元杜氏の日本酒ブログ

プロが教える日本酒の美味しい飲み方 その3

どうも。B.Cです。

 

今回は「日本酒の美味しい飲み方」シリーズの第3弾を解説していこうと思います。

日本酒初心者の方は必見です!日本酒を飲みなれている方も、新しい発見があると思いますので、ぜひ読んで頂けたらと思います!

 

おさらいになりますが、日本酒を美味しく飲む重要なポイントは以下の3点です!

 

  • 和らぎ水と一緒に飲む
  • 料理一緒に飲む
  • 様々な温度帯で楽しむ

 

それでは、本投稿では・ 様々な温度帯で楽しむ について解説していきたいと思います!

 

 

燗酒について 

日本酒は他の酒類には無い魅力を持っています。

それは1本の日本酒を様々な温度帯で、それぞれ違った味わいを楽しむことが出来るという点です。温度が変われば味も変わるのです。

常温でも良し。冷やしたり温めたりと、その日の気分や日本の四季、旬の食材との相性などに合わせて飲み方や、味わいを変えることが出来ます。

 酒自体を温めることを燗(かん)を付ける、お燗(おかん)するなどといいます。燗した日本酒は燗酒(かんざけ)と呼ばれており、温度帯によって名称が変わります。

  • 日向燗(ひなたかん)     30度   ほんのり香りが引き立つ
  • 人肌燗(ひとはだかん)       35度   味にふくらみが出て、ご飯のような良い香りが広がる
  • ぬる燗               40度   香りがより広がる
  • 上燗(じょうかん)              45度   香りが引き締まる
  • 熱燗(あつかん)                  50度   キレがよくなり、香りがシャープになる
  • 飛びきり燗(とびきりかん)55度    シャープな香りで、辛口になる 

 

お燗をすることによってお酒の旨みが増すことを「燗上がり」と言います。

日本酒は温度を上げることで旨みを強く感じるアミノ酸(=旨み成分)含有量が他の酒類を圧倒しています。

つまり、日本酒は冷たくして飲むより、温めた方が日本酒の持つ「旨み」を最大限引き出すことが出来るのです。

ちなみに、お燗は日本酒や紹興酒などを飲む際に行われるのがほとんどで、世界的に見ても珍しい飲み方です。一方、蒸留酒やカクテルなどのお湯割りによってお酒の温度を上げるという飲み方は世界的に珍しいことではありません。

 

「冷や」とは

 

冷や(ひや)とは日本酒の温度を示す言葉なのですが、皆さんはどれくらいの温度かわかりますか?

「冷」という漢字を使っているため、冷蔵庫で冷えていそうな印象を受けてしまうかと思いますが、実は「冷や」は常温のことを示します。

なぜかと言いますと、冷蔵庫が普及する時代まで日本酒は常温かお燗でしか飲まれていなかったため、常温の状態を「冷や」と呼んでいたためです。

ちなみに、冷蔵庫などで冷やしたお酒を冷酒(れいしゅ)と呼ぶのですが・・・近年、お酒を冷蔵することが普及したことによって、間違った常識が広まってしまいました。

 

それは、冷やしたお酒を「冷や」と呼ぶようになったことです。

 

飲み屋さんに行くと、私の体感で3~4割はメニューに「冷酒」が「冷や」と表記されており、試しに「冷や」を頼んでみると、キンキンに冷えた日本酒が提供されます・・・

日本酒を冷蔵庫に入れることが、より良い管理方法だと認知され普及したことは、造り手としてはとても喜ばしいことですが、間違った名称が広まってしまうのは悲しいことです。

冷や、冷酒、燗酒としっかりとした名称で統一して欲しいですね!

 

 

お燗は料理との相性を高める

 

前回の記事で、日本酒は様々な料理と合わせることができるとご理解頂けたと思います。

sake-brewer.hatenablog.com

さらに、日本酒はお燗をすることによって料理との相性を高めるができるのです。

お燗をすることにより、日本酒の持つ複雑な旨み成分が味の幅を広げ、料理との相性を広げるのです。

 

また、肉料理や脂っこい料理と飲む際は、味わいだけでなく、「お酒の温度」が有効に働きます。

油や脂肪成分は温度が高くなると液化し、サラサラになります。しかし、温度が低くなると粘り気が出て、固形化してしまいます。冷えたお肉料理は脂が白く固まりますよね。

つまり、肉料理や脂肪分の多い料理に冷えた酒を合わせると、固形化した脂肪成分が口の中に残り、後味のキレが悪くなります。

しかし、燗酒を合わせることによって、口の中の脂肪成分が固形化することなく、サラっと洗い流されることによって、後味のキレが格段に良くなります。

 

 

お燗は体にも優しい

 

燗酒は冷たいお酒と違って、体温を下げることが無いので身体への負担も少ないです。

そして、燗酒は体温に近いことからアルコールの吸収が早いため、飲みすぎを防止することが出来ます。(アルコールは体温くらいで吸収されるため、冷たい温度のお酒は吸収されるまでにタイムラグがあります。これは飲みすぎてしまう原因の一つでもあります。)

 

 

自宅でも簡単に出来る燗酒

 

本投稿では燗酒の様々な魅力や素晴らしさを解説してきましたので、今晩は燗酒で一杯…などと考えている方もいらっしゃると思います。そんなアナタのために、自宅でも超簡単にお燗ができる方法を紹介していきたいと思います。

 

レンジで温める

 一番手っ取り早い方法です。日本酒を容器にいれレンジで温めるだけです。

お好みの温度帯やレンジのワット数、温めるお酒の量で加熱時間が違ってきますので、自分好みの燗酒ができるように調整してくださいね!

もし、燗酒でアルコールがきつく感じる方は、温める温度を下げるか、少し加水してから温めてみてください。燗酒にすると味わいにボディー感が出てくるので、アルコールが1~2%低くなっても薄く感じることはありません。むしろアルコール度数が下がることによって、口当たりが丸く感じますし、体への負担も軽くなります。

 

ケトルで湯煎

日本酒を徳利に入れ、水の入ったケトルに入れます。そして、ケトルの蓋を開けた状態でお湯を沸かします。

すると簡単に徳利を湯煎することが出来るのでお勧めです。保温や温め直しも簡単に出来ます。

また、湯煎と電子レンジでは、温度の上がり方が違うためか、同じお酒を同じ温度まで温めた場合でも、不思議なことに味わいが変わってきます。

私は味わいが柔らかく感じるため、湯煎の方が好きです。

 

※ケトル本来の使い方ではありません。また、ケトルの蓋を開けたままお湯を沸かすので、火傷には注意してください。

 

蒸し燗(上級編)

蒸し燗をご存知でしょうか?

知っていたあなたはなかなかの上級者ですね・・・

蒸し燗とは、蒸籠で日本酒の入った徳利を蒸してお燗をする方法です。

手間はかかりますが、蒸し燗をしたお酒の柔らかさは本当に素晴らしいです…

電子レンジや湯煎よりも、ゆっくりと温度が上昇するため、柔らかな口当たりになります。

何事もゆっくり丁寧に行った方がうまくいったり、良いものができるかと思いますが、それと一緒ですね。

 

 

まとめ

 

燗酒の素晴らしさを知っていただけたでしょうか!

燗酒は若い世代には、おやじ臭いと敬遠されがちですが、イメージだけで飲まず嫌いを決め込むのは本当にもったいないことです。

燗酒を知ることで、日本酒の奥深さや、無限に広がる料理との食べ合わせの世界を知ることが出来ると思います。

この世界にハマってしまい、1年中燗酒しか飲まないという知り合いもいるほどです。笑

4月になり、気温も暖かくなってきましたが、夜になると肌寒い日も多いかと思います。

そんな日はぜひ燗酒を飲んで体を温めてください!

よろしくお願い致します!

 

 

B.C